はじめに
柔軟性のある3Dプリンター用の素材としておなじみのTPUですが、メーカーによってそれぞれ特徴があります。
硬さも結構違うのですが、ごく一部のメーカーを除いて硬度の表記がありません。
そこで、Amazonで手に入るTPUを一通り購入して、プリントに適したノズル温度や、硬度を比較してみました。
TPU色々ありすぎて、どれを買ったらいいか分からない!という人の参考になる・・・かもしれません。
比較した TPUフィラメント のメーカー一覧
今回比較したのは、下記6社のTPUフィラメントです。
- 3D Best-Q
- ANYCUBIC
- eSUN
- Pxmalion
- PRILINE
- Sain Smart
プリントに適したノズル温度は?
それぞれのフィラメントを、ノズル温度190℃から230℃まで10℃刻みでプリントし、プリントに適したノズルの温度や、ノズル温度による造形物の表面状態の変化などを調べました。
ノズル温度以外のプリント条件は下記の通りです。
今回の実験では、下記の条件でプリントできないものは造形不可としました。
- ノズル径 :0.4mm
- 積層ピッチ :0.3mm
- プリント速度 :20mm/s
- ベッド温度 :60℃
3D Best-Q
ANYCUBIC
eSUN
Pxmalion
PRILINE
Sain Smart
ノズル温度は硬度に影響するか?
プリントする際のノズル温度が、造形物の硬度に影響するかどうかを調べます。
調査方法
①造形可能なノズルの最高温度と最低温度で試験片をプリントする。
②試験片の片方の端を固定し、もう一方の端に重りとしてクリップを取り付ける。
③それぞれの試験片のたわみ量を比較する。
3D Best-Q
ANYCUBIC
eSUN
Pxmalion
PRILINE
Sain Smart
TPUフィラメント硬度ランキング
上記の実験と同様の方法でたわみを比較し、6社のフィラメントの硬度をランキングにまとめました。
ノズル温度が硬度に影響したメーカーのフィラメントは、最低温度、最高温度それぞれの試験片を使用しています。
一方、ノズル温度が硬度に影響しなかったメーカーのフィラメントは、最高温度の試験片のみを使用しています。
さいごに
全体の傾向としては、
- ノズル温度が低いほどベッドへの食いつきは悪いが、表面状態はきれいにプリントできる。
- ノズル温度が低いほど、造形物の硬度は低くなる。
ということが分かりました。
最後まで読んでくださった方、(もしいるとしたら)ありがとうございました!