はじめに
VRヘッドセットの「Oculus Quest 2」を入手しました。
しかし、残念ながらメガネのままOculus Quest 2をプレイすることは不可能です。素直にコンタクトレンズにするか、公式から出ている「度付きレンズ」を購入するか、あるいはサードパーティ製の度付きレンズを組み込むか、といった妥協が必要です。
メガネにこだわっている人間にとって、上記のいずれの妥協案も負けを意味します。こちとら、このポンコツ近視・乱視と何十年も苦楽を共にしていて、真剣にメガネを選んでいる。メーカーの「はいはいメガネユーザーにも配慮してますよw度付きの付属品を出しておけば満足でしょ?w」という甘い考えに屈することはプライドが許しません。今回はどうしても自前のメガネを組み込みたかったので、その備忘録を残しておきます。
なぜメガネではプレイできないのか?
理由は2つあり、まず、幅広のメガネは入りません。所有している3つともダメでした。
私はとても顔が広い(物理)ので、小顔効果のためにレンズ幅55mm以上のメガネしか持っていません(≒メガネ自体の幅も広い)。事前の予想通り、ヘッドセットに入りませんでした。
次に、メガネが入ったとしても、接顔パーツでテンプル(つる)が折れます。
折れると言うか、耳の上が圧迫されて5分で頭痛に見舞われます。これは眼鏡+ヘッドホンで頭痛が起きるのと同じ原理です。
JINSの「Short Temple」
メガネチェーンのJINSから、テンプルを短くしてこめかみでかける「Short Temple」が販売されています。
このサイトには、「VRヘッドマウントディスプレイとの併用もおすすめ。耳にかけないので、ヘッドマウントディスプレイも違和感なくかけられます。」と書かれています(2021/8/14時点)。
でも、分かります。絶対ウソ。こちとら何十年も(略)。
地雷は踏まざるを得ない。とりあえず買ってきました。取り扱い店舗が限られているようで、電話で問い合わせてヨドバシ秋葉原店に行きました。
Short Templeシリーズはラウンドとスクエアの2タイプくらいしかなく、どちらも幅が狭いので、巨顔がかけると新渡戸稲造みたいになります。というかテンプルを無理やり開く感じになり、本体が「Vの字」に曲がって視界が歪みます。返品できないのでゴミになってしまいました。
Oculus Quest 2との相性は?
Short TempleはOculus Quest 2に入りました。しかし「ヘッドマウントディスプレイも違和感なくかけられます」は嘘です。もし本当だとしたら、それは顔が非常に小さい人です。
ただ、これには議論の余地があります。JINSは低価格帯のためか、幅の狭いメガネしか取り扱っていません。レンズ幅55mmで足切りをしている私が試着までたどり着けるモデルは片手で数えるくらいしか置いていません。ですから、そういう意味では「ヘッドマウントディスプレイも違和感なくかけられます」はJINSとしては本当なのかもしれません。「うちが想定する顔の大きさの人であれば」という意味です。
3Dプリンターで固定用フレームを作製
8800円を無駄にしたくないので、テンプルを外して、レンズをヘッドセット内に固定する方法を考えます。
ネットでそれらしい固定用フレームを見つけました。
これを真似て3Dプリントしました。
本来はレンズをはめ込んで使うことを想定していますが、まあ針金と結束バンドでメガネ自体を貼り付けても大差ないでしょう。
接顔パーツのスポンジに適度に食い込んで、ピッタリはまりました。
使用感
今は8月ですが、今年で一番感動しています。昨日まで試験的にShort Templeに無理やりヘッドセットを掛けてMossをプレイしていたのですが、テンプルが邪魔でヘッドセットがうまく掛けられない、掛けるとメガネがズレる、隙間から指を入れてメガネの位置を修正する、バンドを締める、やっぱり眼鏡がズレる、で装着に5分かかっていました。5分で頭痛が起き、トイレ休憩の後、また装着に5分かかります。
それが5秒でプレイ開始できるようになりました。本当に、3Dプリンターの威力を感じています。