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25-1. 画像のフーリエ変換で遊んでみた

やること

あらゆる波形や模様は複数の波の合成によって表現できると考え、素材となっている波の周波数成分を求める方法をフーリエ変換と呼びます。Pythonにもフーリエ変換の関数が用意されていますので、画像のフーリエ変換を試してみましょう。

実行環境

WinPython3.6をおすすめしています。

WinPython - Browse /WinPython_3.6/3.6.7.0 at SourceForge.net
Portable Scientific Python 2/3 32/64bit Distribution for Windows

Google Colaboratoryが利用可能です。

Google Colaboratory

参考文献

画像に対する高速フーリエ変換関数 np.fft.fft2() の使い方についてはこちらをご参照ください。

フーリエ変換 — OpenCV-Python Tutorials 1 documentation

また、こちらのサイトでは画像とスペクトル空間の関係が視覚的・直感的に分かります。

2D Inverse Fourier Transform Playground
2D fast Fourier transform interactive live demo using WebGL2.0. 2DFFT

こちらの動画もわかりやすいです。

2次元フーリエ変換/逆変換の解説 Two-dimensional Fourier Transform Demo

使用した画像

御年70歳のレナ・ソーダバーグさんをお借りします。

コード

まず、フーリエ変換と逆フーリエ変換の関数です。

#フーリエ変換
def FFT(img):
    #フーリエ変換
    fimg = np.fft.fft2(img)
    fimg = np.fft.fftshift(fimg) #低周波成分を中央に寄せる
    #符号を保ったまま対数処理
    real = fimg.real
    real[real>0] = np.log10(real[real>0])
    real[real<0] = -np.log10(-real[real<0])
    imag = fimg.imag
    imag[imag>0] = np.log10(imag[imag>0])
    imag[imag<0] = -np.log10(-imag[imag<0])
    return real, imag

#逆フーリエ変換
def IFFT(real, imag):
    #符号を保ったまま指数処理
    real[real>0] = 10**real[real>0]
    real[real<0] = -10**(-real[real<0])
    imag[imag>0] = 10**imag[imag>0]
    imag[imag<0] = -10**(-imag[imag<0])
    #複素数行列
    fimg = np.zeros(real.shape, np.complex128)
    fimg.real = real
    fimg.imag = imag
    #逆フーリエ変換
    fimg = np.fft.ifftshift(fimg)
    img = np.fft.ifft2(fimg)
    img = img.real
    img = img.clip(0, 255).astype(np.uint8)
    return img

グレースケール画像をフーリエ変換すると複素数行列が得られ、これは実部行列と虚部行列の2チャンネルから成ります。それぞれの型は以下のようです。

行列コード中の変数名ndarray型
複素数行列fimgnp.complex128
実部(fimg.real)realnp.float64
虚部(fimg.imag)imagnp.float64

逆フーリエ変換については単純に逆のことをしているだけです。

次に、普通の画像の表示関数と、FFT画像(=周波数成分の画像。呼び方合っていますか?)の表示関数です。FFT画像の表示については、実部行列と虚部行列の2つをどうやって可視化すれば良いか戸惑います。ここでは複素数型np.complex128に格納してから絶対値を取ることで画像らしく表示させています。この処理には他の流派もあるそうですが、可視化できれば何でも構わないと思います。

#画像の表示関数
def show(img):
    plt.figure()
    plt.imshow(img)
    plt.gray()
    plt.show()

#FFT画像の表示関数
def showfft(real, imag):
    fimg = np.zeros(real.shape, np.complex128)
    fimg.real = real
    fimg.imag = imag
    img = np.abs(fimg)
    plt.figure()
    plt.imshow(img)
    plt.gray()
    plt.show()

では、レナさんをフーリエ変換してそのまま逆フーリエ変換してみましょう。

#グレースケール読み込み
img = cv2.imread('25-1_sample.png', 0)
show(img)

#フーリエ変換
real, imag = FFT(img)
showfft(real, imag)

#逆フーリエ変換
img = IFFT(real, imag)
show(img)

FFT画像が表示され、逆フーリエ変換すると元の画像に戻ることが確認できました。FFT画像は白い点が1つの周波数成分(1つのsin波)を表しています。

FFT画像と周波数成分の関係

FFT画像と周波数成分の関係が理解しやすいようにGIF動画を作りました。左側がFFT画像で、白いピクセルの部分の周波数成分を持っています。右側が逆フーリエ変換後の画像で、波が合成された結果が見えます。

例1

FFT画像は中心部が低周波成分(粗い波)、周辺部が高周波成分(細かい波)を表します。

例2

白いピクセルの中心から見た角度は、波の角度に対応しています。

例3

複数のピクセルを白く塗ると、複数の波の合成が表現できます。

例4

ここでは2つの波の合成に留めますが、このようにしてあらゆる画像が表現できます。ただしFFT画像を編集して狙った画像を構築するのはおそらく不可能です。

周波数成分のカット

最後に、FFT画像の一部をカット(黒塗り)するとどうなるか見てみましょう。

ローパス(低周波を残す)

FFT画像の中心部は低周波成分でした。これだけを残すように周辺部を黒塗りにすると、画像はぼやけてしまいました。粗い波の合成では細部まで表現できないためです。

ハイパス(高周波を残す)

逆に低周波成分を取り除くと、画像全体が暗くなり、線がゆらゆらした感じになりました。これを上手く解説できる方いらっしゃいますでしょうか。

おわりに

Pythonをやっていて複素数が出てくるとは思いませんでした。複素数の計算は難しいですが、表示だけなのでなんとかなりました。

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