4/14(日) 足・靴・木型研究会「第2回研究集会」を開催します☆彡

5-17. 身長-体重=110の「スペ110理論」はなぜ成立するか?

概要

「身長-体重=110が標準体型」というスペ110理論があります。この「身長-体重」をスペック値と呼ぶそうです。一方、体型を評価する数値でいちばん有名なのはBMI(Body Mass Index)でしょう。

身長T [cm]を用いて体重W [kg]を表すと、

BMIの標準体型は(BMI=22のとき)

    $$ W = 22(\frac{T}{100})^2 $$

スペ110理論は

    $$ W = T-110 $$

となりますが、どうしてTの2乗の式だったものが1乗(=比例)でもOKということになっているのでしょうか?数学的に考察してみます。

とりあえずグラフで見てみる

Excelでそれぞれ簡易的に可視化してみました。横軸は身長10~300 [cm]まで、縦軸は体重5~150 [kg]です。左はBMI理論のBMI=22付近を、右はスペ110理論のスペック値=110付近を色付けしました。

やはりTの2乗と1乗で間違いありません。しかし、太枠で示した「大多数の人が当てはまる身長・体重の範囲(身長140~190 [cm]、体重40~90 [kg])」に限って見れば、ほとんど直線で近似できている(?)ことがわかります。

この範囲を拡大してみました。

身長が低めの領域ほど乖離していますが、だいたい直線でええやろ、ということですね。

結論としては、

  • 「BMI=22が標準体型」を前提とした場合に
  • BMIだと割り算の暗算ができないよ~ピエン(><)パオン
  • せや、足し算か引き算で近似しよう
  • 「身長-体重=110が標準体型」でええか

という面倒くさがり屋の仕業だと分かりました。

もっと深掘りしてみる①

せっかくなのでもう少し深掘りしてみましょう。

「スペ理論(引き算)でBMI標準体型をよく近似できるのはどんな身長・体重の人か?」を考えてみます。

もっともよく適用できる(近似できる)領域とは線の傾きが近い領域のことですから、それぞれ微分して、

BMIの式の傾き

    $$ W'=\frac{44}{10000}T $$

スペ理論の式の傾き

    $$ W' = 1 $$

これが一致するということで T=227 [cm] (W=115 [kg])より、「身長227cm、体重115kg付近の標準体型の人であればスペ理論がよく適用できる」ことが分かりました。

いやしかし、これでは使いようがありません。。(;´Д`)

もっと深掘りしてみる②

そこで方針を変えて、「身長165cm(男女混合平均)付近においてスペ理論(引き算)でよく近似できる体型はどんなBMIか?」を考えます。

BMI値をBとすると、Bによって線の傾きは変わるので

    $$ W = B(\frac{T}{100})^2 $$

    $$ W'=\frac{2B}{10000}T $$

これがT=165 [cm]において1と等しいことから

    $$ B=30.3 $$

このBMIに対応する体重は W=82 [kg] で、このときのスペック値は83なので、結局「身長165cm、体重82kg付近のやや肥満の人であればスペ83理論がよく適用できる」ことがわかります。BMI=30は肥満1度と肥満2度の境界です。

分かりやすくスペック値80として実用的に言い換えると、

身長-体重=80は肥満2度

おわりに

「スペ80理論」使える場面あるんですかねぇ(´-﹏-`;)

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