12/9(月) 応用科学学会シンポジウムで自動運転に関する講演を担当します☆彡

16-26. Twitterのインプレッション数とエンゲージメント数が減少しているらしい

やること

「Twitterのタイムラインのアルゴリズムが変わってインプレッション数が減少した」という話を聞いたことがあるでしょうか。検索してみると、噂レベルではありますがいろいろ見つかります。

私の周りにも2人いました。手料理の画像をアップしている方は「2022年に入ってからいいね数が減った気がする」と、ファッションコーディネートをアップしている方は「2022年のいつ頃からか露骨にいいねが減った」と口を揃えて言います。

今回、Twitterを引退するという方のご協力を得てデータ解析をしてみました。この方は2012年にTwitterを開始し、Botチェックやシャドウバンチェックも問題なし、フォロワー数(約2000)やツイートの傾向は2015年頃から大きく変わっていないとのことです。皆さんのSNS検討の参考になればと思います。

データ解析ツール

ノーコードでサクサクとデータサイエンスができる「Exploratory」を使いました。日常のちょっとしたデータ変形にも便利です(ロング型⇔ワイド型の変換など)。

Exploratory
Data Science is not just for Engineers and Statisticians. Exploratory makes it for Everyone.

Twitterデータの取得

Twitterアナリティクスから過去のデータをダウンロードします。過去5年分くらいしか取れないようです。

x.com

データ解析結果

ここからは画像・動画・リンクといった添付メディアの有無で色分けして見ていきます。

ツイート数

まず、ツイート数は一日あたり2~6回程度で、全体の約30%が「メディアあり」でした。

インプレッション数(ツイートが見られた回数)

画像や動画が添付されたツイートはタイムライン上部に表示されやすく、インプレッション数が高くなる傾向があるそうです。

グラフ化すると、メディアの有無によってインプレッション数にはっきりと差が見られます。しかし、2021年に入った頃から徐々にその差が小さくなっていることがわかります。

そこで、半年ごとに区切って箱ひげ図で見てみました。やはり2021年頃から徐々に箱が重なってきています。

半年ごとの密度曲線も見てみます。やはり2021年頃から山が重なってきています。

添付メディアの有無でインプレッション数に有意な差があると言えるか、半年ごとにウィルコクソンの順位和検定を行いました。めちゃくちゃ小さかったp値がだんだん大きくなってきて、2022年下半期(7-9月のみですが)には1%を超えました。やはりメディアを添付してもインプレッションが得にくくなってきています。

エンゲージメント数(クリックや「いいね」等のアクションの回数)

エンゲージメント数は「いいね」、「リツイート」、コメント、画像やリンクをクリックするといったアクションがあった回数です。当然、メディアありの方が高い傾向があります。

これも2021年の中頃から目立って減少しています。この時期はツイート数自体が減少していたとはいえ2019年の水準に戻っただけです。2019年に比べて2022年は明らかに(ちゃんと検定しろ)エンゲージメント数が少ないです。

まとめ

結局のところ公式のアルゴリズムはどうやっても知り得ません。しかし、だからといって「気のせい」と結論づけることは思考停止にほかなりません。180連ガチャでSSRが一枚も出なかった人がいたとして(0.47%)、公式は「確率だから^^」と言い張れば永久の水掛け論に持ち込めるのでしょうか?(→デレステで爆死した人の話

Twitterはアルゴリズムを変えたせいかもしれないし、変えていないかもしれない。もしくは、ユーザー環境の変化によって自然に起きた現象かもしれない。どういった理由であれ、実際にインプレッション数とエンゲージメント数が減少しているデータがあるわけですから、データに基づいてTwitterを継続するかどうかの判断をすればいいのです。

溢れるステマ、乱れる自己顕示欲、秒でなくなる悪魔的レシピ、マックで本質を突く女子高生、バズる細工をする母、若者の趣味に寛容な祖母、モヤモヤする私、誤字脱字のない完璧なLINE、すべての〇〇好きさん必見!、ガチで◯kg痩せるらしい(ぐにゃぐにゃの点線が描かれた低画質写真)・・・これがTwitterの楽しみ方です!

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この記事を書いた人

博士(理学)。専門は免疫細胞、数理モデル、シミュレーション。米国、中国で研究に携わった。遺伝的アルゴリズム信者。物価上昇のため半額弁当とともに絶滅寸前。

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