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5-18. ランチパックは分割するほどコストを削減できる

はじめに

山崎製パンは2023年1月1日出荷分から「薄皮シリーズ」の内容量削減(5個→4個)と「ランチパック」の一部の値上げを発表しました。

山崎製パン「薄皮シリーズ」内容量5→4個に ランチパックも値上げ
製パン大手の山崎製パンは、2023年1月1日出荷分から「薄皮シリーズ」(全7品)の内容量を変更すると発表した。「ランチパック」3品(ピーナッツ、たまご、ツナマヨネーズ)も価格改定する。小麦粉などの原材料価格の高騰に対処するため。

ランチパックは以前から2部屋タイプが発売されており、ネット上では「具を減らすためか?」という憶測が出ていました。

今回はランチパックのプレス幅を調べ、分割数と具の面積を理論的に考察してみたいと思います。

参考文献

1部屋タイプと2部屋タイプの写真をそれぞれ2枚使用させていただきました。いずれも具はジャム系を選びました。著作権等は引用元に帰属します。

1部屋タイプ(公式)

ランチパックの楽しみ方 | ランチパックスペシャルサイト | 山崎製パン
そのまま食べてもおいしいランチパック。温めたり冷やしたりするとまた違ったおいしさが楽しめます。簡単なひと手間から、ランチパックdeフレンチトースト!まで。いろいろな食べ方、ぜひ試してみてくださいね。

1部屋タイプ(有志)

ヤマザキの『ランチパックいちごジャム』が苺の種の食感もあって超おいしい! | 買てみた
ヤマザキのランチパックを買ってきました! 『ランチパックいちごジャム』です! スイーツシリーズのランチパックで、 スーパーで「税込105円」の値段で買ってきました! ランチパックい...

2部屋タイプ(公式)

100円のランチパックにボーナスポイント+10Pプレゼント !「ランチパックまつり」開催  2021年3月10日(水)から3月16日(火)まで | トピックス | ローソンストア100~献立応援コンビニへ。~

2部屋タイプ(有志)

ヤマザキ ランチパック 元祖4種の味わい : パン食べたよ
[ヤマザキ ランチパック 元祖4種の味わい] 発売当初のアイテム4品(ピーナツ・ヨーグルト・小倉・青りんご)を1つのランチパックにしました。 1袋289kcal ピーナツだけ焼き印 ピーナツ、ヨーグルト 小倉、青りんご こってり甘いピーナツ、さっぱりとしたヨーグ

プレス幅の測定

ImageJでパン幅に対する「ジャム幅率」「プレス幅率」を測定しました。公平性のため公式写真と有志写真を1枚ずつ使用しました。

面白いことに、2部屋タイプではプレス幅率が半分まで改善されていました。というよりは、1部屋タイプではプレス幅にかなり余裕をもっていたと解釈したほうが良いかもしれません。2部屋タイプではプレスのギリギリまで具が迫っており、山崎製パンのプレス技術の本領が発揮されていると言えます。そう考えると2部屋タイプになっても具は減ってない可能性がありますね。でも3部屋以上では確実に具が減ります。

以上、プレス幅率は0.18と分かりました。つまりランチパックの縁のプレスは9%の長さで具を排除し、中央のプレスは18%の幅で具を排除します。

シミュレーション

Pythonコードです。

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

#表示
def show(pack):
    plt.figure()
    plt.imshow(pack, vmin=0, vmax=1)
    plt.gray()
    plt.show()

#パラメータ
pack_size = 1000
press_width_rate = 0.18
cell_num = 3

#ランチパック初期化
lunchpack = np.ones((pack_size, pack_size), bool)

#プレス幅の半分
press_width_half = int(pack_size * press_width_rate / 2)

#プレス(縁)
lunchpack[:, :press_width_half] = False
lunchpack[:, -press_width_half:] = False
lunchpack[:press_width_half, :] = False
lunchpack[-press_width_half:, :] = False

#中間区切り位置
xs = np.linspace(0, pack_size, cell_num + 1).astype(int)[1:-1]
print(xs)

#プレス(中)
for x in xs:
    lunchpack[:, x - press_width_half:x + press_width_half] = False
    #lunchpack[x - press_width_half:x + press_width_half, :] = False

#確認
print(np.sum(lunchpack) / pack_size**2)
show(lunchpack)
[333 666]
0.3772

プレス幅率0.18、3-lineタイプでは具が乗る面積が38%と分かりました。

途中のコメントアウトを解除するとboxタイプの分割もできます。

[333 666]
0.2116

プレス幅率0.18、3*3-boxタイプでは具が乗る面積が21%と分かりました。

lineとboxの図を並べておきます。6-lineや6*6-boxまで区切ると具をなくすことができます。

具の面積を網羅的に調べる

lineタイプの具の面積です。赤枠は現状のプレス幅率0.18を示していて、現状の2部屋ですでに具の面積を52%まで削減できています。今後3部屋や4部屋に分割することでさらに削減できることが確認できます。

boxタイプの具の面積です。cell_num=2は2*2-boxを意味することにご注意ください。

現在の2-lineタイプ(52%)の次の案として、4部屋に分割するとして4-line(23%)と2*2-box(41%)ではコストに大きな差があります。lineタイプで区切ったほうがコストを削減できるということですね。

おわりに

薄皮シリーズは4個に減るそうですが、3個に減らす理論はすでに確立しています。その昔、プリンは4個でしたが、「4人家族でパパはおやつの時間にいないから3でいいよね」ということで減らされました。核家族化が進んでいるので同じ理論で2までは減らせます。この先どうなるか注目です。

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