やること
本格的なテクスチャスキャナは大型で数百万円もするようです。「外出先で気に入った物体の表面をスキャンしたいな」と思ったので持ち運び可能なハンディサイズのスキャナを作ってみました。
参考文献
基本的には8方向から順番に光を当てて撮影し、Substance Designerでテクスチャデータを作成すればいいとのこと。
スマホがマテリアルスキャナーになる
物理的なマテリアルをデジタルで再現するには、やり方さえ間違えなければ、マテリアルスキャンが現在最も正確な方法です。しかし長い間、スキャナーにはハイエンドのものしかなく、3Dコミュニティの多くの方々にとって縁遠いものでした。
上記サイトではさらに透過写真も1枚撮っていますが、今回はそれはなしで行きます。
スキャナの作成
八角形の傘を3Dプリントして内側に8個のLEDを仕込みました。回路は秋月電子で計800円くらいでしょうか。上部の穴からスマホで撮影します。
1番を点灯させた様子です。コピー用紙で面光源を実現しています。
撮影
こちらのネクタイを撮影してみます。面白い模様をしています。
8個のLEDを順番に点灯させそれぞれ写真を撮ります。できるだけ細かな設定ができるカメラアプリを用いて、フォーカスと露出を固定して撮ります。
補正
オリジナルの写真は柄が歪んでいたり周辺が暗くなっていたりして、このままテクスチャ化してもシームレスなタイリングができません。そこで手前味噌ですが先日公開した「vcStitching」を使って補正しました(100円かかります)。
「vcStitching」の操作画面です。3*3のタイリングサンプルが表示されるので、シームレスに繋がっていることを確認して保存します。
処理後です。明るさがバラバラに見えるのはハード設計が甘いからか、生地の特性なのか、深く考えないことにします。そもそもLEDの校正もしていないですからね。
テクスチャデータ化
Substance Designerでテクスチャデータ化しました。
おわりに
外出先で気に入ったタイルとか苔とか撮れたら面白いですね。