後半に動画があります。サムネイルはお花畑にしてありますがクリックすると再生されます。人によっては不快に感じる場合がありますので十分にご注意ください。
やること
位相差顕微鏡で哺乳類の精子の運動を観察してみましょう。
材料・方法
精子は水道水中では生存できません。採取した懸濁液は生理食塩水(いろはす等に1%の食塩を溶かす)で薄めます。冷蔵はできません。常温~体温程度で扱います。
スライドガラスにマスキングテープを貼り、カッターで正方形にくり抜いて枠とします。サンプルを滴下してカバーガラスをかけ、余分な水分をペーパーで取り除きます。このようにマスキングテープの厚みの小部屋を作ることで精子の運動を妨げずに観察できます。
精子は透明度が高いため通常の明視野観察ではほとんど見えないか、あるいは開口絞りを極端に上げることになり分解能が落ちてしまいます。ここでは位相差観察を行いますので、原理はオリンパスのサイトを参照ください。
ちなみに接眼レンズを通してスマホで撮影するのは意外と難しく、接眼レンズから1.0~1.5cm離れた場所でスマホをピタリと静止させなければなりません。指でOKサインをして下駄にしても良いですが、トイレットペーパーの芯を切って下駄にするのもおすすめです。
撮影は30fpsではなく60fpsが良いです。それくらいの時間分解能がないと鞭毛の動きが見えません。ただし今回は30fpsで許してください。その代わりビットレートは高め(5000kbps)にしているのでギリギリ見えると思います。
結果
クリックで再生します。人によっては不快に感じる場合がありますので十分にご注意ください。
本動画の無断ダウンロードを固く禁じます。動画が独り歩きするとビネクラが閲覧注意動画を拡散していることになってしまいます。閲覧者に確実に注意事項を読んでいただくため、引用は本記事へリンクする方法でお願いします(引用は歓迎しています)。2022年1月27日掲載
まとめ
ネット上にあまり情報がなかったのですが、これで観察手順が確立できました。60fpsで撮ればもっとよく見えるでしょう。次回は画像処理で精子の運動率の測定に挑戦してみたいと思います。