やること
足に合わせて、木型を自動調整するプログラムを作ります。
木型の調整とは
オーダーメイド靴を作る場合、履く人の足に合わせた木型が作られます。
考慮すべき項目は、足の長さ、幅、骨の位置、甲の高さなど様々です。
木型の調整が難しいのは、これらの項目を独立で変更することができない点です。
例えば、木型の幅を変えると、木型の周長も変わります。
周長を保ったままで幅を細くしたい場合、幅は削りつつ、高さは増やし、なおかつ木型の自然な曲線は保たなければならない、など、同時に満たすべき条件がたくさんあります。
伝統的な手法では、木型は木から削り出されますが、どれくらいの修業を積めば、こんな多目的最適化を手動で解けるようになるんでしょうか。
プログラムの実行
こちらがプログラム実行中の動画です。
ソースコード非公開のため、変形していってるな、という雰囲気だけお楽しみください。
前半では長さと幅、後半では甲の高さの調整を行っています。
変形前後の比較
青が変形前、赤が変形後です。
単純に拡大しただけのように見えますが、木型の長さが変わっただけでなく、左右の一番出っ張っている部分(指の付け根の骨の位置)が前後に移動しています。
足と重ね合わせてみると、指の付け根の骨の位置が足と木型とで一致していることが分かります。
足幅が木型からはみ出していますが、木型は足より細く作るので、調整の失敗ではありません。
まとめ
手作業による木型の調整は丸一日を費やす作業でしたが、自動調整プログラムにより数分でできるようになりました。
足の形状は千差万別なので、このプログラムでどれくらい対応できるか、継続的に検証していきます。