やること
「レターパックで現金送れ」はすべて詐欺です。
命題論理で書くならこうですかね?
∀(レターパックで現金送れ)∈(送金) s.t. (レターパックで現金送れ)=詐欺
まあ言いたいことはわかりますよ。ただ、「すべて」と言われてしまうと理系としては反例を見つけたくなるものです。僕が一回でも詐欺の意図なく現金を送らせた瞬間に偽になる命題じゃないですか。何万部と印刷されたこの標語、すべて偽になりますよ!?
ということで、今回はレターパックで現金を送ってみました。
郵便法
まず、郵便法によって「現金は書留で出さなければならない」と定められています。
第十七条(現金及び貴重品の差出し方) 現金又は郵便約款の定める貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留(第四十五条第四項の規定によるものを除く。)の郵便物としなければならない。
郵便法 第十七条(現金及び貴重品の差出し方)
書留には「一般書留」「簡易書留」「現金書留」の3種類があります。現金書留は現金専用の書留ですが、郵便法には「現金は書留で出せ」とあるだけでどの書留でとまでは書いていません。一般書留でも出せるのでしょうか?
いろいろ気になったので郵便局窓口と「お客様サービス相談センター」に問い合わせてみました。
レターパックに書留オプションは付けられますか?
できません。
現金を一般書留で送れますか?
現金は現金書留でしか送れません。
現金を現金書留でしか送れないことはどこかに記載されていますか?(郵便法では書留の種類までは指定されていませんが)
把握していませんが、そうなっています。
現金書留は専用の封筒のみですか?
定形外までのサイズなら現金書留オプションを付けられます。
レターパックの封筒を入れ物として、現金書留で送れますか?
レターパックと書留は組み合わせられませんが、レターパックの封筒を覆ったり裏返したりすれば現金書留を付けられます。でもそれではレターパックで現金を送ったとは言えませんよね?
では紙幣を破いて普通郵便やレターパックで出せますか?
それでも現金なのでできません。(窓口)
分かりません、受付時の判断になります。(相談センター)
ご対応いただいた担当者の方に感謝申し上げます。
いやこれ、ずるいですよね。「レターパックで現金送れ」が「すべて詐欺」かどうかを検証したいのに、郵便法と郵便局のルールによって、レターパックで現金を送ること自体が禁じられているのです。検証そのものが禁止されています。検証を禁じながら命題が真であると押し通そうとするのは詭弁にほかなりません。(どこにキレてんだこいつ)
外国の紙幣は送れる
しかし、実は外国の現金はレターパックで送れる可能性があります。
現金書留でお取り扱いしている現金は日本国内において強制通用力を有する紙幣および貨幣を指すものであって、外国紙幣、外国貨幣および古銭は含まれません。
https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/kakitome/index.html
Q. ドル紙幣(外貨)を送る場合、現金書留としなければなりませんか?
https://www.post.japanpost.jp/question/646.html
A. 現金書留は、日本の紙幣を対象としていますので、一般書留をご利用してください。
「ドル紙幣は一般書留で送れ」とあり、であるならば普通郵便やレターパックでも送れるのではないかという可能性があります。
しかし、郵便局には郵便局のルールがありますので、それも禁じられているかもしれません。窓口で中身を見せて、許可を取りながら発送してみましょう。
レターパックで外国の現金を送ってみた
実家の親が「そろそろ海外旅行に行きたい。あんた留学したときの現金の余りがあれば送ってほしい」というので、偉大なる毛先生とエリザベス女王を掘り出しました。ちなみに50ポンド札は8000円くらいです。
窓口で中身を見せて、「あー、外国の紙幣は送れたはずです…!」と承諾をいただきました。
品名は「外国紙幣(ポンド・元)」としました。
翌日に届いたようです。爆速。
結論
詐欺の意図なくレターパックで現金を送らせた人がいるため、
「レターパックで現金送れ」はすべて詐欺です。は偽
ただ、よく考えたら詐欺の意図なく「レターパックで現金送れ」と指示した時点で命題の偽が確定したので、実際に発送する必要はなかったかもしれません。