やること
港区立産業振興センターに設置されているフルカラー3Dプリンターを使ってみました。港区民でなくても利用できるのがありがたいです。
港区立産業振興センター
フルカラー3Dプリンター(ミマキエンジニアリング製)
https://minato-sansin.com/facility/3dprinter/
利用方法と料金体系
フルカラー3Dプリンターを利用するには、会員登録を行い、使用方法の事前講習を受ける必要があります。
料金は、施設利用料と3Dプリンター利用料、材料費の合算となります。
- 施設利用料:450円 / 時(4時間以上は一律で1,800円)
- 3Dプリンター利用料:1,500円 / 時
- 材料費:都度見積り
プリント品質
品質設定には、高速、標準、高精細の3つがあり、造形物の表面の粗さがそれぞれ異なります。写真はセンターに置いてあったサンプル品のくじらです。高速は明らかに粗いですが、標準と高精細の差はあまりないように感じました。
プリント時間と材料費
今回はこちらのミミッキュ(ポケモン)キーキャップをプリントします。おおよそのサイズは、幅2cm x 奥行き1.5cm x 高さ3cmです。通常カラーに加えて格子模様バージョンもプリントして、細かい模様がどのくらい鮮明にプリントできるのか確認したいと思います。
用意するデータは、表面がきれいにつながっている必要はありません。例えば、こちらのミミッキュは、体、しっぽ、キーキャップ部品が別々のオブジェクトです。お互いにめり込むように配置してエクスポートすると、スライサーがいい感じにしてくれます。表面をきれいにつなげる作業はしんどいので、とてもありがたい仕様です。
こちらのプリンターは、造形物の配置でかなりプリント時間が変わります。キーキャップ1つをプリントする場合、縦置きで1時間42分、横置きで1時間かかります。横にするだけで40%も短縮できます。また、横一列に15個のキーキャップを並べた場合のプリント時間は1時間32分です。個数は15倍なのに、時間は1.5倍しかかかりません。
1個あたりの材料費は、1個だけプリントした場合で370円、15個まとめてプリントした場合で196円です。材料費は造形物の体積に比例すると聞いていたのですが、まとめてプリントするとなぜか安くなりました。
時間的にも材料費的にも、まとめてプリントした方がお得なようです。
プリンター稼働中の様子
稼働中の様子は窓から見ることができます。ノズルは左右に、ベッドは前後に動きます。ノズルが右端から左端へと一瞬で移動するのに対して、ベッドの前後移動は時間がかかっているように見えました。できるだけ前後移動が少なくなるように配置することが、プリント時間短縮のコツのようです。
後処理
プリント完了後は、造形物がサポート材に覆われています。サポート材を除去するため、溶剤が入った超音波洗浄機に入れて1時間ほど待ちます。
完成品
色の設定には、カラー、クリアカラー、ホワイト、クリアの4種類があります。
テクスチャは、カラー、クリアカラーともに、かなり鮮明にプリントされています。積層痕はよく見れば分かるという程度ですが、ツルツルを目指すのであれば何らかの処理が必要になりそうです。
気になったのは寸法です。キーキャップをキーボードにはめたところ、クリア系はぴったりはまりましたが、カラーとホワイトはきつくてはまりませんでした。カラーとホワイトはデータのサイズより大きめに出来上がるようです。
まとめ
ぜひとも大物に挑戦したいところですが、お財布との相談になりそうです。