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26-6. 【注意喚起】ユザワヤ「手芸で前頭前野の機能をトレーニング」のデータソースが確認できませんでした(2021/06/09時点)

概要

ユザワヤ商事株式会社がネットに掲載する「手芸で前頭前野の機能をトレーニング」(2021/06/09閲覧)の2つのグラフについて、電話による問い合わせおよび論文調査の結果、2021/06/09時点ではソースが確認できませんでした。情報の信頼性について十分にご注意ください。

出典:ユザワヤ「手芸で前頭前野の機能をトレーニング」2021/06/09閲覧

対象のデータ

ユザワヤ商事株式会社がネットに掲載する「手芸で前頭前野の機能をトレーニング」(2021/06/09閲覧)の2つのグラフは、「約9倍」「p<0.1」と具体的な数値を示して、クロス・ステッチが動画視聴と比較して有意に脳活動を高めることを主張しています。比較対象である「動画視聴」については、60代TV視聴時間が「総務省情報通信政策研究所(平成30年度)調べ」と注釈されています。実験は川島隆太博士(株式会社NeU取締役CTO、東北大学加齢医学研究所教授)監修とあり、データの信頼性を幇助しています。なお、両グラフの縦軸は「脳活動量の変化量」であり脳活動量そのものの値ではないことに注意が必要です。

当該データはユザワヤ公式Youtube動画「【脳を鍛える】脳トレ手芸 川島隆太博士×ユザワヤ【トレーニング】」でも取り上げられています。

ソース確認方法

電話による問い合わせ

2021/05/31 ユザワヤ商事株式会社へ電話
2021/06/09 ユザワヤ商事株式会社へ電話

論文調査

2021/06/09 GoogleScoLar検索及びGoogle検索

結果

電話による問い合わせ

「サイトとYoutube以外に公開できるものはありません」という回答を得ました。

論文調査(Google検索)

2021/01/23の産経ニュース『「刺繍で認知症予防」「脳トレ手芸」も登場、針仕事で若さ維持』には、

  • 実験は2020年の夏に実施されたこと
  • 被験者は18人の男女(平均66歳)であったこと
  • 刺繍作業時は動画視聴時より8.5倍の脳活動量を示したこと

が明記されています。

昨夏行った1回目の実験では、18人の男女(平均66歳)が参加し、クロスステッチ刺繍未経験者の9割以上が「楽しかった」と回答。比較対照として動画視聴も同条件で行い、双方を比べたところ、刺繍作業時は動画視聴時より8・5倍も高い脳活動量を示した。また、1週間毎日15分刺繍を続けた73歳女性は、脳年齢80歳から76歳に。同様に79歳女性も、脳年齢78歳から74歳に若返った。

産経ニュース『「刺繍で認知症予防」「脳トレ手芸」も登場、針仕事で若さ維持
論文調査(GoogleScoLar検索)

2020/01/01から2021/06/09までの範囲で、クロス・ステッチと脳活動に関する論文は見つけられませんでした。

結論

2021/06/09時点では詳しい実験条件と実験結果が記載されたソースが確認できませんでした。広告内のデータは「脳活動量の変化量」を示すものであり、脳活動量そのものの規模や標準偏差が示されていないため有意性について議論できません。測定に使用したデバイス、刺繍の図案、被験者が置かれた環境、視聴した動画の内容等も不明です。

当該グラフの信頼性については「本当かもしれないし、嘘かもしれない」と考えるのが妥当であり、捏造や誇大表現である可能性が否定できません。情報の信頼性について十分にご注意ください。

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