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8-3. 遺伝的アルゴリズム(vcopt)で巡回セールスマン問題を解く(GA編)

本記事の内容は2019年5月13日に更新されました。

やること

巡回セールスマン問題をGAで最適化し、局所最適化手法である2-opt法の結果と比べてみましょう。

実行環境

WinPython3.6をおすすめしています。

WinPython - Browse /WinPython_3.6/3.6.7.0 at SourceForge.net
Portable Scientific Python 2/3 32/64bit Distribution for Windows

vcoptの使い方についてはチュートリアルをご参照ください。

vcoptの仕様については最新の仕様書をご参照ください。本記事執筆時とは仕様が異なる場合があります。

import

まずは、今回使うパッケージをインポートします。

import numpy as np
import numpy.random as nr
import matplotlib.pyplot as plt
from vcopt import vcopt

前回の関数をそのまま使う

巡回セールスマン問題の作成

#巡回セールスマン問題の作成
def create_tsp(town_num):
    
    #町のx座標とy座標の配列を作成
    town_x = nr.rand(town_num)
    town_y = nr.rand(town_num)
    
    return town_x, town_y

(必須)評価関数

#巡回セールスマン問題の評価関数
def tsp_score(para):
    
    #スコアの計算(今回は直接returnする)
    
    return np.sum(((town_x[para][:-1] - town_x[para][1:])**2 + (town_y[para][:-1] - town_y[para][1:])**2)**0.5)

(任意)すべてのパラメータ群を可視化する関数

さて、GAは複数の個体群(論文ではpopulationですが、ここではpoolと呼ぶことにします)を徐々に進化させながら最適化するアルゴリズムです。最適化の最中、複数の個体群がどんな感じか見たいですよね。

poolを可視化する関数にも、書き方のルールがあります。

#poolの可視化
def 関数名(pool, **info):
    
    #GA中の諸情報はinfoという辞書に格納されて渡されます
    #これらを受け取って使用することができます
    gen = info['gen'] #現在の世代
    best_index = info['best_index'] #エリート個体のインデックス
    best_score = info['best_score'] #エリート個体の評価値
    mean_score = info['mean_score'] #個体群の平均評価値
    mean_score = info['mean_gap'] #目標値と評価値の差の絶対値平均
    time = info['time'] #経過時間(秒)
    
    #可視化
    print(...)

このルールに従い、pool可視化の関数をこのようにしました。

#巡回セールスマン問題のpoolの可視化
def tsp_show_pool(pool, **info):
    
    #GA中の諸情報はinfoという辞書に格納されて渡されます
    #これらを受け取って使用することができます
    gen = info['gen']
    best_index = info['best_index']
    best_score = info['best_score']
    mean_score = info['mean_score']
    mean_gap = info['mean_gap']
    time = info['time']
    
    #プロット(および保存)
    plt.figure(figsize=(6, 6))
    #poolを100個まで薄い黒でプロット
    for para in pool[:100]:
        plt.plot(town_x[para], town_y[para], 'ok-', alpha=(2.0/len(pool[:100])))
    #エリートは赤でプロット     
    plt.plot(town_x[pool[best_index]], town_y[pool[best_index]], 'or-')
    #タイトルをつけて表示
    plt.xlabel('x'); plt.ylabel('y')
    plt.xlim([0, 1]); plt.ylim([0, 1])
    plt.title('gen={}, best={} mean={} time={}'.format(gen, best_score, mean_score, time))
    #plt.savefig('save/{}.png'.format(gen_num))
    plt.show()
    print()

パラメータ数が20(←町の数)のとき、poolは200個体になりますが、すべてをプロットすると時間がかかるため、100個体を薄い黒で、最優秀個体(=エリート個体)を赤でプロットしています。この関数だけを実行するのはちょっと面倒なので、もうGAに入れちゃいましょう。エラーが出たらそのときに修正しましょう。(え)

GAで最適化

はじめに問題を作成し、その後GAを実行します。

#巡回セールスマン問題の作成
nr.seed(1)
town_num = 20
town_x, town_y = create_tsp(town_num)

#パラメータ範囲
para_range = np.arange(town_num)

#GAで最適化
para, score = vcopt().tspGA(para_range,                    #para_range
                            tsp_score,                     #score_func
                            0.0,                           #aim
                            show_pool_func=tsp_show_pool,  #show_pool_func=None
                            seed=1)                        #seed=None

#結果の表示
print(para)
print(score)

実行結果

[ 1  9 17  0 16  3 19  4 12  5 14  2 18  6  7 10  8 15 11 13]
3.0847039502021065

赤い線はエリート個体です。結果、4400世代の進化により、最短距離3.0847のルートが得られました。前回の2-opt法の結果と比べてみると、わずかに短いルートの発見に成功しています。

2-opt法(局所最適化)

GA(大域最適化を目指す)

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